2026-05-23

1時間腐食でのエッチング

今回はエッチングの中でも線を壊す作業、描いたものを平面にしてしまうようなディープエッチングについてお話します。

ハードグランドにエッチング描画、1時間腐食をしたUさんの作品です。(油膜あり 右 油膜なし 左)油膜があると線によっては滲みがでるのも特徴です。

上部の画像を見ると、髪の太い線と襟足の所の髪の表現では違いがあります。また着物の右肩の部分も同様線ではなく面のような表現になっております。

これはかなりこまかく黒い色にするために描画されたのだと思いますが腐食時間でその線が潰れた状態です。

ディープエッチングという技法なのですがこの場合はまだ浅めのバージョンです。もっと深い溝も作ることができます。

線描画で腐食時間を分けてリアルな描画表現をするのもよいのですが、今回の作品では深い、腐食の捉え方に重点におきました。作品が和要素の強い、浮世絵みたいな作品なので大胆な構図やベタ塗でのイメージは思い切った腐食作りからできる要素です。

太い線の中にできるグレー調の溝、実際の刷られた紙をよくみると線描の溝も凹凸ができています。(これは紙で刷った時に見える魅力ですね)

この後さらに紙ヤスリで削ったり、アクアチント、ドライポイントを加えたりしてより面白さを出していけるのではないだしょうか。完成したらポストカードのように色で多色刷りも趣きが出る作品ですね!

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