2025-08-20
水性インクの使用
ずっとシャルボネの黒インクを愛用してきたのですが、この猛暑で銅版の洗浄対策に悩みました。洗浄する際、溶液が揮発性ということもあり危険性が高いのです。
ということで、思い切って水性インクを使用してみることにしました。
今回はシャルボネール凹版黒インク 71303(左側)とクランフィールド セイフウォッシュ/エッチングインク/カーボンブラック (右側)の比較を載せています。
油性インクは刷った瞬間が一番濃く少しずつ色が落ち着くのに比べ、水性インクは徐々に色が浮き上がってくる感じがします。線の部分がはっきりしてくるからかもしれません。カーボンブラックは青みのあるラックスCとF66を混ぜたような色味かなと思います。私の作品は深い彫りのタイプではないのですが、刷り上がりが油性とは違う柔らかさがあり、これはとても魅力でした。
インクの立ち上がりは油性の魅力です。比較するとシャープ差があります。油性のインクのたち具合からするとこの水性インクの盛り上がりは少な目なので、水性インクの場合、最終イメージに近い完成形での版制作をしようと思います。
インクの溝をより立ち上げるため、油性インクではふき返しをしているのですが、このインクでは別の違う手法のほうが効果がありそうです。色々研究すれば油性にはない水性インクの良さの可能性を引き出せそうですし、併用とかもできるかもとちょっと楽しみになったところです。
関連記事